The CARAVAN | SHIZUOKA ROAD TRIP

2017/04/05
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原宿でのPOP UPを終え次の立寄地・静岡にてFREAK'S STORE LIMITED SHOPとともに開催された「The CARAVAN VINTAGE POP UP」。
その開催とともに、LAでヴィンテージの買付を行った張本人であり「The CARAVAN」のクルーとして日本を横断中のスタッフ渡邊がフリークス ストア未上陸の土地である静岡をロードトリップ。さまざまな人や場所、インスピレーションに出会った道中をリポート。






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GEE / 静岡県浜松市

心なしか東京よりも暖かな風の吹く静岡県浜松市、樹齢60年以上の松の木の傍らに「GEE」はある。
敷地内には地元で人気のオーガニックカレーの店やグリーンショップも点在しており、気付くとついつい長居をしてしまう。

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店の看板や備品にもセンスが光る。お話をお伺いすると、それもそのはずサンフランシスコの「MOLLUSK SURF SHOP」のサインなどを手がけたペインター、ジェフ・カンハムが直々にロゴやサインを描き下ろしたのだそう。商品に関しても西海岸を中心に、アウトドア、サーフといった店主のライフスタイルを体現した商品が所狭しと並ぶ。
駅が近くにあるわけでもなく、交通の便とは無縁な場所であるが取材中も来店が絶えない。

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「人と人が交流できる居心地の良い場所を提供したいですし、うちのお店から何か始まるといいですよね。」

と語るのは店主の川島氏。
気さくな人柄もあり、地元のみならず海外のクリエイターとも親しく繋がりを持っている。月に1回程度木工の食器作りやスタンプワークといったさまざまなワークショップも行っており、自然と訪れたくなる空間と居心地の良さがある。

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キャラバンスタッフ渡邊(左)と川島氏(右)。

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敷地内にある「ヤサカカレー」。GEEのスタッフさんや後述のSTUDIO CALM西村氏も、お店の方の人柄と日本中のカレーを研究し到達した味の熱心なファンだそう。

GEE
〒430-0852 静岡県浜松市中区領家町1丁目 7-30
TEL / 053-581-9442
http://geestore.jp/




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STUDIO CALM / 静岡県浜松市

古い工場が立ち並ぶ浜松市内の一角。一見萎びた3棟の工場からなる広大な敷地内には、古くから凧専門で制作をする工場と、奥のもう一棟にはスケートランプとフットサルコート。そして最後の1棟、木工工場として操業を続けていた工場内の一角に工房を構えるのが『STUDIO CALM』だ。

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工房がある工場は3階建てで、1フロア200坪ほどある広大なもの。「STUDIO CALM」のような工房も入居していれば2階にはキックボクシングジムが入っているなど異色の組み合わせが興味を引き立てる。
その上、ネット全盛の昨今だが調べてもなかなか情報が出てこない。まさに大人の秘密基地といった印象だ。

取材に到着するなりコーヒーをドリップしてくれたのが、元エンジニアという経歴を持つ代表の西村氏。柔らかい空気の中にも知的で大人の色気を感じさせる魅力的な人物だ。
工場特有の内臓が揺れるような機械音の中に薄く流れる音楽とコーヒーの香り、一見廃れた工場の一角に作品が並ぶという居心地の良さと緊張感が入り混じるような独特の雰囲気は、他ではなかなか味わうことのできないものだろう。

「現在は木工やスケートですが、そのジャンルにこだわっている訳ではないので、今後様々な素材で表現していく予定です。」

と語る西村氏。ひとつひとつの作品を丁寧に紹介してくれた。

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ウッドのスケートボードもバクテリアで浸食された独特の風貌や削りにくい節をあえて使用し、木が持つ本来の魅力を引き出している。その味わいと西村氏のセンスが絶妙にマッチしているのが特徴だ。
その優美で調度品のような美しさは、主張しすぎることなく静かな存在感を放っており、「STUDIO CALM」の名の通り控えめな物腰でありながら確かな価値を生む彼の人柄が作品に表れているよう。とはいえスケートボードとしての実用に主眼をおいており、デッキのサイズやフォルム、ウィール等も趣向にあわせてオーダーが可能。

「僕の知り合いのアーティストが何名か入る予定なのですが、クリエイターを誘致すると共に広い立地で3Fが空いているので、宿泊施設にするのも面白いかもしれませんね。裏も小学校があるのでよく子供が遊びにきて、意外と賑やかな場所なんですよ。」

ローカルという言葉が世に溢れて久しいが、まさに真のローカリズムとはこのこと。
目立った観光地ないものの、少し足を伸ばせば海と山のアクティビティが充実しており、人の温もりや地方のリアルを求めて、ローカルを堪能する一日があってもいいのかもしれない。今後のSTUDIO CALMの活動に期待だ。

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西村氏から旅のお伴にといただいたブラックウォルナットのスケートボード。ともに終点熊本へ。

STUDIO CALM
https://www.instagram.com/studio_calm/




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青島文化教材社 / 静岡県静岡市

日本固有のサブカルチャーとして不動の地位を築いているプラモデル。実は静岡が発祥の地であるということを、知らない方も多いのではないだろうか。
かく言う「The CARAVAN」クルーもそのことを初めて知り、そこで訪れたのがこの大正13年から続く老舗玩具メーカー「青島文化教材社」である。

「徳川家康が生まれ育ち、また晩年を過ごしたここ駿府(現在の静岡)には多くの木工・カラクリ職人が集められていた経緯があり、現在までモノ作りが栄えているんです。」

静岡のモノ作りの背景を語るのは、4代目の青島社長。
今回、創業時から現在に至るまでの貴重なアーカイブが並ぶ展示室に特別に案内して頂いた。数千体のプラモデルや原画が時代毎に並ぶ光景は圧巻だ。

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「初めはそれこそ木工細工から始まりましたが一昔前はヒーロー物、車や戦艦、美少女フィギュア、意外と人気なのがヤンキー車とか・・・・そう、ヒーロー物とかでよく『合体』って言葉があるじゃないですか?実はあれも商標を取ったのはウチが最初なんですよ。」

男なら誰しも幼少期に憧れたに違いない「合体!」というあの言葉。その生みの親に会えるとは驚きだ。
さらには70年代後期から80年代映画『トラック野郎』からプラモデルで火が付き社会現象となった「デコレーショントラック」。

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「デコトラ」といったほうがピンとくる方も多いと思うが、この言葉の仕掛け人も実は青島文化教材社。
大人の男が思わずニヤリとしてしまう、多くのサブカルチャーの歴史を作り上げた先駆者なのだ。
また、特別に青島文化教材社が社の歴史の中で一番初めに作った合成樹脂のプラモデルも見せて頂いた。

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「プラモデルの初期の頃ってなぜか可動式の船とかが多くて・・・当時の技術なんで当然一回水に浮かべて遊んだら沈んじゃうんですよ、それでまた悔しいから一台買う・・何とも時代の世相がでてますよね。」

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最近ではフィギュア分野でもその高い技術を生かしヒット作を世に生み出している。アニメやゲームのキャラクターで車をラッピングする、いわゆる「痛車」という言葉をいち早く使い始めたのも青島。時代の潮流を捉える感覚はひときわ鋭い。

今後の展望については、

「他業種とも積極的に新しい試みにも挑戦していきたいですね。ただ、アパレルの業界などと少し違うのが、プラモデルって面白くて、昔のモノがずっと売れ続けるんですね・・・・そういう意味では、変わらないその時代ごとの魅力というものは、今後も伝えていきたいです。」

先代から続く温故知新の文化に敬意を払いつつも、いい意味で職人気質でない青島社長の柔軟な姿勢はカルチャーの垣根を越えた新たな可能性を感じさせる。
今回案内してくださった青島社長、実は相当のアメカジ通。フリークス ストアチームとのアメリカ談義にも花が咲き、後ろ髪を引かれる思いで社屋を後にした。

青島文化教材社
〒420-0922 静岡市葵区流通センター12番3号
TEL:054-263-2400 (代表)
https://www.aoshima-bk.co.jp/




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YACHIYO KATSUYAMA / 静岡県静岡市

静岡の市街地で出会ったのは、『Casa BRUTUS』等の誌面の挿絵提供や都内のセレクトショップでPOP UPも開催するなど、近年活動の場を広げている静岡在住のイラストレーターYACHIYO KATSUYAMA氏。
近年の作品の多くは道具や工具をモノクロのイラストで構成され、無機質で無骨な道具も彼女のフィルターを通すと、ユニークでどこか愛くるしい作品に。そのどこか人を引き付けるイラストの源を探る。

道具を主にモチーフとする彼女だが、初期は実は人モチーフが多かったとも。

「今も人を全く書かないわけではないですが・・・。駆け出しの頃は本当に独学で自己流だったんですが、知り合いの店で1枚1000円で似顔絵をやったらありがたい事に100枚以上売れたんです。そのお金で、似顔絵の画風が似ていると言われていたアーティストのお墓参りをしにサンフランシスコに行きました。結局お墓参りはできなかったんですが...。
滞在中はひたすら描きまくりました。むこうのランドリーとか可愛くて・・・ランドリー絵書きながら怪訝な顔されたりも(笑)」


そう言って、サンフランシスコで自由にイラストを描きとめたノートを見せてくれた。

「あまり曲線の多かったり可愛らしい道具ではなくて、直線的というか、機能美があるもの、ラジオとかカメラとかハンマーとか・・・そういう実用的なものが好きですね。とても気に入った形の金槌にこの前出会うことができて、値段は多少張ったんですが宝物なんですよ。」

と熱く語るYACHIYOさん。行動派な一面とアーティスト特有の道具への偏愛を垣間見ることができたと同時に、彼女の感性は空想でなく、見て感じたことをベースとした経験に裏付けられていることがわかる。

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また、作品もキャンバスも市販のモノでなく小ぶりなキャンバスを自作したり、石に描くにしてもよく形を吟味し、あえてチープシックな印象に見えるような塗料を使うなど、細かなこだわりも欠かさない。
自分の作品に合うマテリアルが何なのか熟知しており、それが作品にブレない魅力を持たせていると言えるだろう。

「本当にいい出会いに恵まれて、運が良かったんですよ。」

何回も謙遜する彼女だったが、雑誌等の誌面だけでなく全国の力のあるショップなどからのイラスト依頼が多いことも、彼女の内に秘めたクリエイティブのエネルギーが人を魅了し出会いを繋いでいるからに違いない。

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キャラバンスタッフ渡邊(左)とYACHIYO KATSUYAMA氏(右)

YACHIYO KATSUYAMA
http://yachiyokatsuyama.tumblr.com/




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