UPDATE : 2022.07.25

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#BEAUTY & HEALTH

枝優花の「心と体に効くモノ」 Vol.1
「お金で買う、自分を救うおまじない」

Interview / Text:Yoko Hasada

Photo:Keta Tamamura

Edit:Kei Kawaura,Taiyo Nagashima

自分で自分の気持ちを上げるために、好きなもののなかに身を置いたり、自然の力に癒されたり、美味しいものを食べたり、現実から一度距離を置いてモノ・コトの力に頼る。自分を救う“おまじない”は、お金で買えることもある。そんな「あなたにとって“心と体に効くモノ”は?」――映画監督 / 写真家の枝優花さんがホストになり、やさしい人々を訪ね歩く対談連載。初回は、枝さん自身の「心と体に効くモノ」について。

自分だけに見える、お守り

─── 監督だけでなく、写真家としても活躍している枝さん。日々、多数のお仕事に関わられています。昨日はとある作品を終えたばかり。とても大変な現場だったと聞きました……。

 

:どうしていつも、こんな大変なことに巻き込まれるの? と思うくらい、お仕事の現場はいつも壮絶です……。今回もなかなかハードでした。現場がひとつ終わると、身体も心もボロボロになってしまうんですよね。

 

─── そういうときに、モノに頼ることってありますか?

 

:最終的に頼るのはモノじゃないですけど、段階的に頼ることはあります。仕事が立て込んでいるときに気持ちが落ち込んでしまうと、メンタルを整えるのが間に合わないこともあって。明日も朝から仕事なのに、身体と心が一致してないまま、仕事に行くことになる。落ちたテンションをグッと上げるためのモノ、というのはいくつかあります。お守りみたいな感じですね。

 

─── 大事な日に身につけるお守りアイテム、私も持っています。おまじないとか、願掛けみたいな感じですよね。

 

:そうです、そうです。友だちが、自分だけが見える場所に小さなタトゥーを入れていて、そういう感覚です。

お守りアイテム①ガラスの指輪

─── 枝さんのお守りアイテムは?

 

:ひとつは、指輪です。大きい買い物は渋って半年くらい悩むんですけど、身に付けるモノはピンときたらすぐに買っちゃいます。心の栄養だと思ってるので。だから指輪はたくさん持ってます。
お気に入りの指輪をいっぱいつけて仕事に行くことが、私にとっておまじないみたいな行為で。仕事が立て込んでいると、ほとんど寝られないときもあるので、身も心もボロボロになっていくんです。現場写真にぐうぜん映った自分の姿が、見たことないほど疲れきってて、びっくりするくらい。Instagramで友だちが楽しそうな投稿をしてると、同じ現実なのか? って苛立ちそうになるくらい限界なときもあります。だけど、ネイルもタトゥーも同じように、可愛いモノが視界に入ると、それだけでちょっとうれしくなって気分が上がるんですよね。

 

─── 限界を迎えつつある自分の気持ちを上げてくれるんですね。

 

:そうですね。可愛いものは、自分の心を高めてくれる大事なモノだなって思います。だから、朝、指輪を選んで身につける行為でテンションを上げて、現場に向かうんです。

 

─── 今日持ってきてくださったのは、ダルメシアン柄のガラスの指輪。

 

:MEXさんという、作家もののアクセサリーです。ガラス素材が好きなんですけど、MEXさんはガラスリングをいくつも発表されていて、最初はInstagramで見つけました。たまたまポップアップをやっていて、見に行って一目惚れ。ふたつも購入しちゃいました。

───ふたつ?

 

:あ、もうひとつは割れてしまったんです。ワンピースを着て駅の階段を降りていたら、後ろの人に裾を踏まれて、前につんのめった拍子に指輪が外れて転がって、それが踏まれてしまい……。

 

───そんな、マンガみたいな状況が……!

 

:びっくりですよね。ものすごく悲しくて、この指輪も割れるのが怖くて、1年くらいつけられませんでした。だけど、残り数日の大変な現場を乗り越えるために、3日前に解禁しました。

お守りアイテム②抹茶の香りの香水

:もうひとつのお守りアイテムは、香水。Maison Margielaの「レプリカ」というシリーズのものです。特徴的な香りが揃っていて、これは抹茶の香りなんです。

─── すっきりとしていて、気持ちのいい香りですね。

 

:周りからの評判もいいです。香水も好きでいくつも持っているんですけど、最近はとくにこの香りがお気に入り。指輪と香水をつけると、パワーをもらえます。

“わかる“という感覚が、心の拠り所になった

─── 気持ちを上げるためにやっている習慣はありますか?

 

:最近は、瞑想を始めました。去年くらいから、夜中の2〜3時に目が覚めるようになってしまったんです。その後もなかなか眠れなくて、ショートスリーパーになってしまって。最初はトイレに行きたくなって目が覚めるのだと思ったので、寝る前の飲み物を控えてみたけれど、どうやらそれが原因じゃない。ヤクルト1000を飲んだり、部屋を真っ暗にしたり、いろいろ調べて実践したけれど全部ダメで。それで、もう開き直って時間を有効活用してみようと、瞑想をするようになりました。

 

─── 仕事のストレスとかも関係あるんですかね?

 

:身体の疲れやメンタルは関係なさそうで。この症状の理由がわからない状況が結構しんどかったですね。
話が少しズレるんですけど、私は以前から、何をやっても巻き込まれてしまうことばかりで。そのことに、ずっと違和感があったんです。どんな仕事をしていても大変な目に遭って、現場がひとつ終わるとボロボロになってしまう。それで、笑って聞いてほしいんですけど……数日前にSNSでファンの方からメッセージが届いて、「枝さんはスターシードだと思う」って言われたんです。

 

─── これは、笑っていいエピソードですか?(笑)。

 

:怪しいですよね(笑)。気になって調べてみたんですけど、端的に言えば、魂が地球由来じゃないみたいなことなんです。スターシードというのは、地球の磁場を上げるために別の惑星から派遣されてきた人たちのことで、つねに困難のある場に送り込まれ、試練を与えられるそうで。その人たちの特徴に、「夜の2〜3時になると眠れない時期があります」って書いてあって。

 

─── 枝さんのことじゃないですか。

 

:他にも思い当たる節がいろいろありまして(笑)。まあこれらが本当かどうかは置いておいて、これまでの自分の人生の不可解な出来事の理由がわかった気がして、少し安心したんですよね。

 

─── それまで、その巻き込まれてしまう状況が不安だったんですね。

 

:そうです。なんで毎回? と思ってすごく怖くて。言葉を選ばずに言うと、私はものすごく真っ直ぐに、愛とか平和を信じるピュアさみたいなものを持ってしまっている不器用なところがあると自覚していて。でも、大人になればなるほどそんな自分が怖くなって。「私は偽善者なんじゃないか」って苦しくなることもあったり。だから、感じを悪くしたり斜に構えたりすることで、どうにかバランスをとるんですけど、それも難しい。
たとえば、人に飲み込まれてしまうことに、ずっと悩んでいました。撮影現場で役者さんがつらそうだと一緒につらい気持ちになっちゃうし、その場の空気が悪くなると自分も同化してしまう。そういうことが苦しかったんですけど、そういうことにも「理由」があると知ったら、冷静になれたんです。

:ただ、矛盾するようですけど、どんなことも自分次第でどうにでもなる側面もあると思います。だから、自分がどうしたいのかという「自分軸」を持つことは大事ですよね。気持ちが落ち込むことがあっても、「だったら、こっちだってやってやるぜ」くらいの気持ちで心のナイフは持っていて(笑)。

 

─── 素敵です。ピュアさの延長にある、心のナイフ。

 

:この不条理な世界をどうにかしたい、という謎の使命感があるからかもしれないですね。おこがましい話ですけど、BTSがずっとピュアに愛を信じている感覚が、すごくわかるんです。そうやって、“わかる”っていう感覚が増えていくことが、心の拠り所になったのかもしれません。周りにも何人か、この感覚を共有できる人たちがいて、そういう存在も大きいですね。

 

─── 感覚を共有できる人たちは、どんなモノを心の拠り所やお守りにしているのか気になりますね。

 

:そういう人たちにいろんな話を聞きたいですね。世界の愛を信じている人たちって言ったら大袈裟なんですけど(笑)、みんなの“小さな神様”みたいな存在を教えてもらいたいです。

PROFILE

  • 枝 優花

    1994年生まれ。群馬県出身。

    23歳にして制作した初の長編映画『少女邂逅』はインディーズ映画ながら異例のロングランヒット。また写真家として、様々なアーティスト写真や広告写真を担当している。マイブームは、朝起きたらお香を炊いて、コーヒーを淹れてぼけっとすること。

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